| 一度乗ってみようと考えていた、タイのバンコクのファランポン中央駅からラオス国境のノンカイまで、夜汽車に乗った。何度もノンカイに行っているがすべてタイ東北部のウドンタニまで国内航空機で行き、そこから1時間程のバスに乗っていた。
バンコク中央駅では、近年、ケンタッキーなどのファーストフード店も多数開店し、明るいムードである。列車のキップを買おうとしていると、タイ国鉄の身分証明書を胸につけた案内係りが飛んできて、どの窓口でキップを買うのかといったことを教えてくれる。英語もOKで、外国人の観光旅行者の世話が仕事なのだという。
私は1等寝台を1,500バーツ(4,000円程)で購入したが、個室内をとった写真まで見せてくれ、「1人で乗っても、2人でも同じ値段です。ガールフレンドを連れてきたらどうか」といわれた。どういうことなのでしょう???
さて、列車に乗り込んで見ると廊下は狭く、人がすれ違うのも難しいほど。個室は身長180センチの私の足が伸ばせる。ベッドは2メートルの長さがある。1等寝台車は韓国の現代グループの製造で「HYUNDAI1006」という金属製のラベルが天井近くに貼ってある。トイレは一見普通だが、用がすんでボタンを押すと航空機のようにシューという音で吸い込んでしまう日本の新幹線よりハイテク?
30分以上も出発が遅れたのに何の案内もないまま、汽車はゆっくりとホームを離れた。遅れた理由を女性の車掌さんに聞いてみたが、なぜそのような質問をするのかと不思議そうにで「いつもこんな感じ」という。1等寝台に男女が1人づつ、計2人の車掌が乗っている。
出発してすぐ、王宮前を通過。日本の原宿駅と同じようにだれもいない駅を通過したがチトラダ宮殿の正面近くだからおそらく王様が汽車に乗る時に使われる駅なのだろう。
バンコクの空港まで1時間程。さらにアユタヤまで時速十キロ、歩くより少し速い程度のスピードで進むので実にいらいらした。だが、アユタヤを過ぎると時速百程へとスピードアップした。
十二時間の汽車の長旅で考えごとでも楽しもうと思っていたが、いつの間にか寝てしまっており目覚めるともうウドンタニ。降りる用意を始めることになった。終点のターミナルであるノンカイが近づくとどこから乗ってきたのか、地元の三輪車トゥクトゥクの運転手が国境まで四十バーツで連れていくという。まあいいかと乗り込んだこのトゥクトゥクが私を連れて行ったのは国境ゲートは見えるがその近くのわけのわからないビル。「ここでビザを取得しなくてはラオスには入れない。二千八百バーツ」と雲助ぶりを発揮し出した。
「バカ言っちゃいけない。ビザ代はラオス入国時に三十米ドルと支払えば取得できることはちゃんと知ってるんだぜ。今年だけでもラオスに行くのは二度目なんだぜ!嘘つきめ」と怒鳴ってあげたら、この雲助ウンちゃんは急におとなしくなった。しかしこんなウソをあくまで押し通そうとして「制度が変わった」と言い張る。
そこで私は携帯電話をカバンから取り出して、ビエンチャンに電話、三十ドルであることを確認するフリをした。やっとこの運ちゃんは諦め、朝から儲からない変は客に捕まったとぼやいていた。国境についたら十バーツ多い五十バーツをやろうと思って同紙幣を用意していたのだけど、約束した四十バーツしかあげなかった。
女性の一人旅でも危険は少なそうだが、四千円ほどでリッチな気分になれると一等車に乗るのは止めた方が無難である。二等寝台は確かに狭いが、乗客も多数乗っているため、何かあった場合の安全性が高いと思う。それに断然安い。
そして国境ゲートまで歩いて数分、10バーツの乗合バスで橋を渡ってラオスに入国した。このバスは人が集まるまで出発しない。その時間が待てないのなら、150バーツを出してバスをチャーターすることも可能である。
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