<ドイツ拾い読み情報 (1998-2000年度版) >

General Information on Germany

東芝ケミカルヨーロッパ社
Toshiba Chemical Europe GmbH

青木 正光
Masamitsu Aoki

e-mail MattAoki@nifty.com

Version 3.0
2000.12.31.
 

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【解 説】

ドイツを少しでも理解して頂くために、特にテーマも決めず、滞在中に入手したドイツに関する一般情報を拾い集めたもの。なるだけ幅広い観点から収集に努めた。欧州のドイツを理解して頂ければと思う。なお、読み易いように箇条形式を採用し、興味のある所から拾い読み出来るようにした。
 


ドイツ拾い読み情報 (1998年度版)
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目 次
1
政治・経済情報
2
環境関係情報
3
エレクトロニクス関係情報
4
半導体・電子部品関連情報
5
化学・プラスチック関係情報
6
運輸・輸送関連情報
7
社会・一般情報

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<政治・経済情報>

1.ドイツ 73.37円/マルク(1997.12.30.),78.74円/マルク(1998.5.29.),82.82円/マルク(1998.10.2.),72円/マルク(1998.11.6.)

2.1998年10月下旬にEUの1999年度の実質経済成長率は3%から2.4%に下方修正された。

3.ドイツの1998年のGDPは2.6〜3.0%(OECDの予測は2.7%)で、1999年は2.7〜3.5%が予測されている。ドイツのGDPは3.8%(1998年第一四半期)なお、 1993年は-1.2%を経験。新政権になってから経済成長率の見直しが実施され、1999年度の経済成長率は2.9%(コール政権時代の予測)から2.0%に変更された。

4.1998年4月よりVATを15%→16%にあげたので駆け込み需要があった。

5.ドイツ(旧西ドイツ)の1998年3月の倒産・破産件数は2,287件で戦後最悪記録を更新した。

6.ドイツの大卒エリートの初任給は6〜8万マルク(税引き前)(450〜600万円)

7.ドイツの労働組合の数は少なく、ドイツ労働総同盟(DGB)に加盟する組合は16で組合数 928万人(ドイツ最大の労働組合は全国の金属・電気産業従事者で構成される340万人を抱える金属産業労組/IGメタルがこの中に含まれる)、ドイツ官吏同盟 108万人、ドイツ職員労組 51万人、キリスト労組 30万人(1995年)となっている。
IGメタルは1999年度のベースアップとして6.5%を要求している。

8.ドイツの人件費 40マルク/人・時間で、「世界一高い労働賃金、世界一短い労働時間」とも言われている。しかし、いつまでも、この方式を採用していると競争力を失う事から
a.休日に出勤しても超過勤務手当てを受領する代わりに出勤した時間分を自分の口座に蓄え、好きな時に代休が取れる制度に変更(Motorola)
b.勤務時間を午前7時〜午後4時までの固定式を午前6時〜午後10時までの間で、自分の仕事のある時間帯で働く方式に変更して超過勤務手当ての激減した例(Hules)
c.受注が多い時期は週5日制。少ない時期は3日制にして柔軟に対応する例(BMW)等を実施して柔軟な考え方で見直しが始まりつつある。画一的な労働条件を維持していたら国際競争力がなくなるとの判断から見直しが始まっている。

9.ドイツ企業の海外投資額は425億ドル(1996年)→515億ドル(1997年)となっている。

10.ドイツでは海外進出したものの撤退(Uターン現象)もしている。撤退理由として
1.熟練工の不足
2.部品下請け企業の不足
3.品質管理の劣悪さ
4.企業ノウハウの漏洩・盗難

等があげられている。別の言い方をすれば海外に進出してドイツの豊富な熟練工、優秀な下請け企業、品質管理能力、従業員の信頼性の高さ等を再認識したとも言える。

11.ドイツ連邦統計庁の調査では、ドイツでの1966年度業種別倒産件数のワースト5は、建設業>加工産業>貿易>運輸業>金融・保険業の順となっている。

12.ドイツには中堅企業が「隠れたチャンピオン」として経済を支えているとも言われている。しかし、少なくとも約 5,000社は今後、5年以内に後継者問題に直面をし、合併や買収が増加すると予測されている。

13.製造業の時間当たり労働コストの比較

1997年
時間当り労働コスト
労働付随コスト
ド イ ツ
47.92 DM
21.56 DM
オランダ
36.63 DM
15.99 DM
日 本
34.97 DM
14.55 DM
米 国
31.83 DM
8.98  DM
英 国
28.62 DM
8.19  DM

14.ドイツで労働コストを高くしているのは失業保険と年金保険等の社会保障費用が大 きな要因で、毎年、1.256兆マルクが社会保障に使用されている。

15.ドイツ(人口 8,180万人)での外国人数は約700万人で外国人比率は約8〜9%、外国人就業者は約260万人で、その主な内訳は、トルコ人 86万人、旧ユーゴ諸国 49万人、イタリア人 34万人となっている。(日本での外国人就業者は約10万人)

16.ドイツは1998年春先から景気回復をし、失業者も減少をしている。一般的にドイツの失業者は450万人で、旧東ドイツの失業率が17%を超え、ドイツ平均の失業率は12%→10.5%(1998.6.)→10.7%(1996年は10.7%)→となり1998年の失業者数は482.3万人(1998.1.)→438万人→407.5万人(1998.6.)→413.4万人(1998.7.)→396.5万人(1998.9.)→389.2万人(1998.10.)となっている。(失業中の熟練工が補助金で専門学校に通っている人は失業者扱いにならない)
1999年の失業者数は410万人まで減少の見通しがRWI経済研究所で予測されている。
(新政権になって失業率は413万人との予測がある)
EU全体の平均失業率は10.4%(→1998年9月は9.9%ニ)で、で約1,740万人の失業者。
最も低いのはルクセンブルグで3.4%、高いのはスペインで20.2%。

17.ドイツで実施された過去の雇用対策
(1)1983年:外国人労働者帰国準備促進法を制定(西ドイツ)
(2)1989年:長期失業者対策のための特別計画(西ドイツ)
(3)1996年:解雇規制の緩和
(4)1997年:雇用促進法の改正
1年以上の失業者と技能資格のない6ヶ月以上の失業者を試験的に雇用した場合、最長6ヶ月間で賃金の30%を助成
(5)1997年:ワークシェアリングに雇用機会の拡大

残業削減と短時間労働の拡大

18.ドイツでのベビー・シッターの費用の相場は8ドイツマルク/時間。

19.ドイツでのパートタイム労働者の比率は約15%(オランダが最も高くは約29%、日本は20%である)

20.1998年9月の総選挙で、コール首相が2002年までの続投を宣言。
右派中道路線か?それとも欧州左派革命か?の選択へ。
キリスト教民主同盟(CDU)、キリスト教社会同盟(CSU)、自由民主党(FDP)等の政権がある。旧西ドイツの市民運動で始まった「緑の党」は連邦議会672議席の内、49議席を占めている。「緑の党」は1980年1月に誕生した。1998年9月27日の選挙で、社会民主党(SPD)が勝利となる。

21.ドイツのバーデンビュルデンベルグ州立信用銀行、南西ドイツ州立銀行、シュツットガルト振替貯蓄銀行の三行が1999年1月に合併する事が決定された。
三行の資産は3,600億マルク(1996年ベース)。ドイツには公的金融機関は 600以上あり、欧州通貨統合で再編が必死と見られている。

22.ドイツの経済は外需(輸出/特に自動車・化学部門)に支えられて辛うじてプラス成長を維持していたが、今後は設備投資や個人消費等の内需の活性化が期待されている。
しかし、輸出の伸びの鈍化と建設投資の落ち込み等の影響で、先行きに不透明感が強まってきている。

23.欧州通貨統合に参加する11ヶ国は1998年末までに政策金利を独仏などの低金利に収斂する事で合意されている。(短期金利の収斂水準は3.3%a実際は3.0%へ)

24.ドイツで進展している買収と合併。 1997年に約1,650件の買収・合併の審査案件がある。ドイツ企業で進展している意識改革。

25.ドイツの大型税制改革(1998〜1999年の2年間)を提案したものの減税総額 300億マルクは廃案が確定した。

26.健康保険の自己負担額を引き上げしたら薬の消費量が急速に10〜12%減少し、約 10億マルクの節約をもたらした。

27.欧州マーケットというものは存在しない。あるのはドイツ、英国、フランス・・・等のマーケットであり、通貨が違う、言語が違う、取引条件が違う、値段が違う等が存在する事を認識しておく必要がある。

28.欧州通貨統合は1998年5月2日EU特別首脳会議で当初の参加国が決定した。
ドイツは閣議で参加する事を3月27日に決定している。

参加国は11ヶ国(参加:オーストリア、ベルギー、オランダ、ドイツ、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリア、フィンランド、ルクセンブルグ、アイルランド、非参加:英国、スウェーデン、デンマーク、ギリシャ)で、1999年1月1日より外為市場、超短金融市場等で先ず使用され、実際に使用されるのは2002年1月から。
その間は各国の通貨とユーロ通貨の両方が併用される。給与振込、銀行口座はユーロに替わっても、引出し時には各国の通貨での引き出しも可能。当初は通貨が二重となるためにコンピューターのシステムの変更が必要となる。
参加国間の通貨交換比率は、現在の欧州為替相場安定制度(ERM)の「中心相場」に固定する事を決定。1マルク(約78円)は約3.35フラン、約990リラに相当する。

ユーロ通貨が安定的であれば、ドル一辺倒の外貨準備の危険性から一部をユーロに移す可能性(例:中国)もある。正式な換算レートは1999年1月1日に決定されるがEuro 1=DM 1.93の交換率の概念で、ドイツマルクは2001年12月31日までの移行期間の間は準通貨として存続する。2002年1月からユーロ銀行券・貨幣の流通を開始し、2000年6月末までに旧銀行券を回収される。(保管する金庫をどうするかが大きな課題となっている)

29.欧州単一通貨ユーロは、当初、1ユーロ=1.2ドル前後の見方が有力であったが、最近は1.1ドル前後の見方が強くなり、強すぎるユーロとの懸念が広がり、ユーロ圏の輸出競争力が低下し景気に影響するのではないかとの心配も出ている。

30.欧州の通貨統合で、域内の為替リスクがなくなるのと複雑な処理がなくなる。
欧州委員会の試算では両替手数料や為替リスクを避けるための経費は、欧州全体の国内総生産(GDP)の0.5%にも当たるとの報告もある。
同じ製品の価格は一番安い価格に収斂する大きな問題点が予想され、零細企業に直撃る可能性もある。欧州通貨統合により、より均質な汎用欧州マーケットが到来し、大競争時代に突入し、これに適応できなければ落ちこぼれるとも言われるとともに失業者が増加するとも言われている。

31.ユーロ通貨を採用する11ヶ国の域内総生産(GDP)は米国の90%に匹敵をするため、米ドルとともにユーロに二大通貨体制になる可能性があり、米ドル、マルク、円の三大通貨体制にも影響をすると見られている。通貨統合参加国の国債もユーロ建てで実施する事が非公式の蔵相理事会で合意もされている。

区 分
EU
米国
日本
人 口
290,527,000
268,054,000
126,216,000
G D P
6.9兆ドル
7.3兆ドル
4.6兆ドル
G D P
19 %
20 %
8 %
貿 易
19 %
17 %
8 %
債 権
30 %
47 %
23 %
株 式
18 %
66 %
16 %
面 積
237万km2
962万km2
37万km2

Note GDP、貿易は世界シェア、債権・株式は3地域でのシェア

32.ドイツの1999年度の連邦財政赤字は562億マルク(予算案)となる見込みで予算案が閣議決定された。歳出総額は4,653億マルク

33.ドイツの農業の平均年収は約5.6万マルク(養豚・養鶏業が最も良くて、8.8万マルク)(1997年度)

34.ヨーロッパ委員会は空港等で適用されるEU圏内の免税システム(タックスフリー)を1999年7月1日以降全面的に廃止する事を決定。最終目的地がEU圏外であれば従来の免税システムの適用される仕組みとなっている。

35.ドイツの平均寿命は男性73歳、女性79歳で、第二次世界大戦で男性がなくなっているので現在、女性老人数が男性老人数を大きく上回っている。
老齢年金として女性は900マルク/月、男性は1,200マルク/月以上を受けている。

36.1997年度のOECD加盟29ヶ国が国外への直接投資した総額は3,549億ドルで、過去最高となり、各国の企業がグローバルな事業展開のために本国以外での合併・買収を積極的に続けており、ドイツは332億ドルの投資で第3位となっている。
因みに第1位の米国は、1,166億ドル、第2位の英国は583億ドル、日本は第4位で260億ドルとなっている。

37.冷戦の終結とソ連の崩壊後、チェコ等の東欧諸国にドイツの企業は工場進出するようになり、ドイツ国内の「モノ作り大国」に空洞化が懸念されるようになってきた。

38.ドイツの小売業者は新通貨のEuro通貨は歓迎している。英国は通貨統合には参加しないものの銀行によってはEuro建ての個人貸付を1999年から計画している。
理由は、Euro金利が4%で英国のポンド建ての金利が7%であるために、金利の低いEuro建てでの貸出しを計画。

39.ドイツのガソリンスタンドは野菜、時計、電球等が販売出来るようになるため小売業者には脅威に感じている。

40.1998年のドイツのデパート売上は横ばいと予想している。

41.1997年12月31日でドイツ郵便局は国家管理を終焉。125年続いた歴史に幕を閉じ民営化された。郵便貯金はポスとバンクに郵便集配はドイツポストになる。
電気通信ではドイツ・テレコムに既に民営化されている。
郵便集配は1995年に民営化され、段階的に民間を参入させる改正郵便法は連邦参議院で1997年12月19日に可決され成立した。1998年1月1日より一通200gを超える封書、50g以上のダイレクトメールの集配にはドイツポスト社以外の民間企業が参入出来るようになり、2003年にはこの線引きも廃止される。
通常の封書一通 1.1マルク。郵政改革はドイツのみならず北欧、英国で実施されている。

42.ポストプラス=郵便局を兼ねる場所がコンビニやガソリンスタンドに約5,000個所にのぼる。

43.ポスト社:職員数 285万人

44.キルヒとベルテウスマンと連合してデジタルテレビで英国に対抗する案が浮上し、欧州委員会の認可待ちしてデジタルテレビがスタートする。

45.ロシア危機でドイツの経済に影響する懸念の声が出てきている。ドイツはロシアに対して約700億マルクを超す世界最大の対ロ債権を抱えている。

46.ドイツ取引所とロンドン証券取引所は欧州での統合へ向けて準備に入った。電子取り引きのコンピューターシステムを共通化、売買のルール、税制の統合等を1999年中に実施し、2000年までに両国の市場を完全に一本化する方向で動いている。欧州統一の証券取引所の開設に向けて15ヶ国以上が参加する見込みもあり、2000年には証券取引所も統一化する方向で動いている。

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<環境関係情報>

47.ドイツでの環境問題は今に始まったものではなく、既に19世紀にさかのぼる。ドイツ以外の国で蒸気機関車が走っており、工業化に全力をあげていたのに、その頃のドイツ詩人や思想家は自然に帰れ!と声高に主張をしていた。この現実逃避の思想は現在まで残っているとも言われている。

48.ドイツには300ヶ所以上あったごみ焼却場は統廃合して現在、53ヶ所までになっている。日本では1,854ヶ所に分散してある。米国は148ヶ所、カナダは17ヶ所であり、如何に日本が非効率なごみ焼却場である事が分かる。

49.欧州では乳脂肪分に含まれるダイオキシン濃度で、製品の取扱いを規程している。
例えば、ドイツでは5ピコグラムを超えると取引禁止停止に、オランダは6ピコグラム以上あると牛乳とともに廃棄処分扱いになる。

50.衣料品の加工には約8,000種類の化学物質が使用されていると言われている。中には発ガン性の疑いのあるものやアレルギーの原因となる物質も含まれている。特に有害とされるフォルムアルデヒドと重金属の使用禁止の草案を、州議会を通じて連邦参議院に提出される見込みである。

51.EUでは、二酸化炭素の排出量を2000年までに1990年のレベルに抑えて安定化させるために
(1) 風力、地熱など再利用可能なエネルギー源の割合を4%から8%に倍増する
(2) 炭素・エネルギー税を導入する
(3) エネルギーの使用効率や発電所での発電効率を高める
等の対策を掲げている。

52.ドイツの炭酸ガス排出量の削減に東ドイツのエネルギー効率の低い製造工場が閉鎖された事により、排出量は東西統一直後と比較して44%もの大幅な減少を達成。

53.ドイツには現在、19基の原発が稼動(原発依存度は32%)しているが、原発の敷地内に活断層の一部が走っている事から1998年1月にミュールハイム原子力発電所が閉鎖された。新しい政権になってから、今後、段階的に原発を廃止する事で合意がなされ(欧州ではドイツ以外ではスウェーデンが1980年に2010年までに原発全廃を決定している)、電力会社との協議事項となっている。ドイツは地震のない国であるが、既に活断層が再確認されて1基が実際に閉鎖された。日本は51基もの原子炉が地震列島の上にあるが、あまり、その怖さが知られていないようだ。もし、東海巨大地震が発生して影響を受けるのが浜岡原子力発電所(老朽化した2基を含めて4基稼働中)で、チェルノブイリの汚染基準を当てはめると茨城県から兵庫県までの日本の中心部が長期間居住が不可能となる事が想定されている。欧州での原発の依存度が最も高いのはフランスで、70%にもなる。(ベルギーが60%)

54.「エコロジカルツーリズム」のキャッチフレーズで農村を滞在型リゾート地とする観光農業施策を進めている例がある。

55.ドイツのフルブライグ市は緑に囲まれた自然が観光資源であり、ドイツの「環境首都」でもある。900年の歴史のある旧市街地に、車では入れなく、「地球環境定期券」で公共の交通機関を利用するような仕組みで駐車場も完備されており、「パーク&ライド」方式(駅近くに駐車して電車に乗る方式の事)を採用している。

56.ドイツ環境自然保護連盟(BUND)があり、会員制の市民団体で会員数は現在、約20万人で子供に環境問題を教える「緑の教室」がある。

57.カールスルーエ市には動植物の生態系の再生計画地であるビオトープがある。

58.環境保護の観点から同じ日に同じ目的地に行く人を集めて1台の車に相乗りさせるサービスで、ドイツには自動車相乗り斡旋センター(VDMFZ)がある。1980年代に「環境保護への貢献」等の呼びかけで若者に人気を集め、一大ブームとなった。しかし、皮肉な事にPR不足のために利用者が減少。

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<エレクトロニクス関係情報>

59.欧州での、電子機器の1998年度の伸びは5.5%と見込まれている。

60.ドイツにはエレクトロニクス関連の日系製造会社は32社があり、業種別は以下の通りである。

(1997.6.30.現在)
民生機器メーカー
産業機器メーカー
電子部品・デバイス
10
6
17

61.ドイツテレコムはキルヒ、ベルテウスマンのデジタル放送の放映を決めた。

62.ドイツの家電製品の需要(1997年)
ドイツは夏でも比較的涼しいため、エアコンの需要は日本と比較すると非常に少ない。

ドイツでの家電製品の年間販売台数
(万台)
カラーテレビ
据置VTR
ビデオムービー
冷蔵庫
洗濯機
電子レンジ
エアコン
562
295
66
350
267
160
9

63.通信産業は1998年1月1日から完全自由化され、ドイツ・テレコム、フランス・テレコム等が独占していたドイツ、フランスの巨大市場の争奪戦が始まり再編が加速される。欧州の通信市場規模は1,300億ドルで、通信の自由化が進展すれば2005年には 2,300〜2,600億ドルが予測されている。欧州の5大通信市場はドイツ>英国>フランス>イタリア>スペインとなっている。企業としては、Siemens、Alcatel、Italitel等が各国のテレコムと強い依存関係が存在する。自由化に伴う価格競争が激化し、ドイツ・テレコムは2000年までに職員2万人の解雇の計画がある。

64.高度交通システム(ITS)が大気汚染、騒音等の交通問題で、ドイツで導入が図られており、一部、駐車場の満空情報を知らせたり、カーナビゲーションとの連携も図って進められている。ドイツでのカーナビは累積で約16万台(1997年)で欧州のカーナビ市場の約6割がドイツで占める。

65.ドイツでの携帯電話の普及率は9.1%でEU平均の12.5%より低い状態。普及率の最も高いのはフィンランドで38.3%、次にノルウェー(34.9%)、スウェーデン(33.8%)、デンマーク(28.0%)、イタリア(17.1%)、英国(13.3%)の順になっている。

66.ドイツでの家電製品の1997年度の普及率は以下の通り

家電製品
ドイツ
欧州全体
電気洗濯機
94%
87%
電気冷蔵庫
98%
98%
電子レンジ
58%
53%
皿洗い機
47%
37%
電気掃除機
97%
91%

67.ドイツ・テレコム、フランス・テレコム、スプリント(米国)の三社による合弁会社グローバルワンは企業の生産性向上に「グローバル・イントラネット」のサービスを開始。

68.ドイツにはD1、D2、E2等の4つの携帯電話網がある。

69.ドイツの移動電話(携帯電話、自動車電話)は288万台(1996年)で、2002年には800万台が予測されている。

70.ドイツテレコムはフランクフルトと上海を結ぶ世界最長(17,000km)の音声・データ通信回線「アジア・ヨーロッパ横断光ファイバーケーブルシステム」の運用を1998年10月より開始した。これにより、衛星通信方式から漸次、光ファイバーケーブル方式の移行する方針を打出し、自社衛星の生産中止を決定している。

71.ベルリン市の下水道管に光ファイバーを敷設工事が進展中で、5.6kmが完成し、年内に30kmまで敷設する計画。通信需要に対応するために下水道管を使用した光ファイバーの敷設技術は実は日本の東京都が世界で初めて事業化したもので、ロボットを使って下水道管に光ファイバーを敷設する技術。この技術はベルリン市のみならずデンマークのコペンハーゲン市、オランダのアムステルダム市も検討中で、欧州で進展中。

72.欧州は通信自由化や欧州通貨統合を背景に、企業の設備投資や情報化投資が活発化し、電機やソフト等の関連業種に好業績をもたらしている。

73.ドイツのシーメンス・ニクスドルフ・インフォメーションズ(SNI:パソコン・サーバーの生産能力 140万台)が台湾のパソコンメーカーのエイサーが買収する事で基本合意をされていたが、ロシア金融危機で欧州市場の先行きが不透明な事からエイサーは買収計画を白紙に戻した経緯がある。

74.欧州のパソコンの市場規模は1,750万台(ポータブル/デスクトップ=250/1,500万台)
1997年度のパソコン出荷数量の順位はCompaq(15%シェア)>IBM>HP>Dell>SNI>Parkard Bell(NEC)>富士通>東芝(3.8%)>Apple>Acerとなっている。

75.コンピューターメッセCeBITがハノバーで1998年3月19〜25日まで開催され、出展社数の上位は台湾>米国>英国となっている。約60万人以上の来訪者。

76.ドイツの防災機器・電子防犯機器市場は26.7億マルク(1997年)で、個人住宅における侵入者感知警報機の設置率は1%、煙探知器の設置率は14%となっている。

77.ドイツでラジオ放送が始ったのが1923年10月29日からであり、今年はラジオ放送75年となる。当時は受信料が高かったために受信登録者は全国でわずか476名であった。現在、3,800万世帯がラジオを保有し、マスメディア媒体の中では最高の普及率となっている。

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<半導体・電子部品関連情報>

78.ドイツ版のシリコーンバレーとしてヘッセン州のヴェツラー市にハイテクの研究所が存在し、1989年に設立され基礎研究のみならずチップも生産している。

79.シーメンスは半導体ビジネスでメモリー依存度の低減を推進すべくDSPコアや32ビットMCUを強化し、注力分野として「通信」と「自動車」をあげている。

80.ドイツのPWBメーカーは1994年には200事業所が欧州に存在していたが、現在は180(1995年)→170(1996年)→165(1997年)事業所まで縮小した。

ドイツのPWBの従事者は12,000人。
欧州ではドイツがトップのPWB生産国で、英国、フランス、イタリアの順となる
この4ヶ国で欧州の83%(1996年)を占める。

81.Siemensは電子部品事業や電子管事業はコアビジネスと考えてなく、身売りの事業部として位置付けされている。これらの事業には4.7万人の従業員があり、別会社として分離し、他社に売却するか、株式公開で保有株を放出するかを考えている。
1998年9月期の年間連結決算では半導体部門だけで約12億マルクの損失を計上した。この損失には英国(ニューカッスル)の半導体工場の閉鎖に伴う特別費用も計上されている。

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<化学・プラスチック関係情報>

82.ドイツにはプラスチック・ゴム加工機械のメーカーは115社が存在し、約25%がNordrhein-Westfalen州に位置する。機械製造業界は約6,000社が存在する。

83.世界最大のプラスチックスに関する展示会 K'98がデュセルドルフで1998年10月22日〜29日開催された。

84.ドイツの化学大手のヘキストは、基礎化学品、プラスチック部門(この部門の売上高 96億マルク/年で従業員 1.5万人在籍)を分離・独立させる方針を11月に発表。ヘキストは医薬に特化する方針。フランスのローン・プーランとの合併が具体化。

85.好調であったドイツ化学企業にも減速の兆候。BASF、Bayer等の売上高が前年同期比でマイナスとなり、特にアジア地区での減収が影響。

86.欧州でのカメラフイルムのシェアはコダック 約35%>富士写真フイルム 約25%>アグファーの順となっている。コダックはブランドとマーケィングの力で、富士写真フイルムは技術力で、それぞれ地位を確保している。

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<運輸・輸送関連情報>

87.ドイツの自動車業界に携わる従業員数は約68万人。
1998年度の乗用車の生産台数は500万台が見込まれている。しかし、ガソリン税の引き上げや自動車走行速度の制限の導入等で自動車産業に影響を及ぼす事も予測されている。

88.ドイツの自動車保有量総数は4,479万台(1996年末)、住民千人当りの乗用車保有台数は500台/1,000人で、実用車も入れた自動車保有台数は546台(1996年)となる。

89.自動車会社のオペルはドイツ国内の高賃金に堪えられずドイツの国境(数百km)に近いポーランドに新工場を建設し、稼動を開始した。地元も雇用対策となり、多くの方が応募した。この工場にはドイツと違って、労働組合は存在しない。

90.ドイツの独立系自動車部品メーカーのロバート・ボッシュは日本の部品メーカーのナブコ、日本エービーエス、自動車機器 3社との合弁会社を日本に設立する事で基本合意をしている。自動走行システムに関しての実用化に伴うもの。

91.民間企業でありながらフォルクスワーゲン社は、ナチス統治下の時期に強制労働させられたユダヤ人への人道補償基金を2,000万マルク拠出して発足する事を正式に決定。

92.ドイツでも磁気浮上方式のリニアモーターカーの新幹線(Transrapid)をハノーバーからベルリンまでの292Kmを500km/時間の速度で走らせる計画がある。完工は2005年を予定している。リニアモーターカーのアイディアは約130年前(1870年にテュフトラーが磁気浮力の交通手段への応用構想を発表)まで溯るが、実際に導入の検討が始ったのは約30年前からで、主要都市間を日帰りで移動できるには500〜600 km/時間の高速列車が必要との事から検討された。

93.ダイムラー・ベンツ、VW等は収益をあげており、過去、最高益を得るのは確実に。

94.ドイツのマクロコンパクトカー社(MCC/Mercedes Benzが株保有)は自動車のプラスチック化に取組んでおり、軽量化とコストダウンの両方を達成。フランスで組立てて1998年10月より販売を開始。材料と構造に工夫を加えて射出成形技術も開発をした。

95.自動車の生産台数のトップ10は、GM>フォード>トヨタ>VW>ダイムラー・クライスラー>日産>フィアット>本田>プジョー>ルノーの順になっており、ドイツは4位と5位を占めている。
自動車業界では「生産台数で年間、400万台が生き残りの条件」とも言われている。

96.ドイツの空港利用者数のベスト5(1997年)は、以下の通りである。

都市
利用者数(万人)
フランクフルト
4,026.3
ミュンヘン
1,789.5
デュセルドルフ
1,553.2
ベルリン
1,156.5
ハンブルグ
864.9

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<社会・一般情報>

97.ドイツのあらまし
人口:8,197万人(1996年)
面積:35万7,042km2
首都:ベルリン
GNP:3.624兆ドル(1997)
外貨準備高:1.336億マルク
成体:13の州とハンブルグ、ブレーメンの2特別市、ベルリン市からなる連邦共和制。各州に独自の議会、政府を持ち、その上に連邦議会、政府がある。
議院内閣制 議会:2院制。連邦議会 656名、連邦参議院 68名
宗教:プロテスタント(42.5%)、カトリック(35.3%)、イスラム(2.4%)

1990年10月に東西ドイツを統一し、ドイツ連邦政府が旧東ドイツの再建に1991〜1996年に年間1,500億ドイツマルクの公的資金を投入。

98.ドイツ(ベルリン)に犬専用の軽食堂がオープンする程、犬が飼われており、子供料金相当を払えば電車にも乗せる事が出来るようになっている。

99.ドイツではアルコール飲料の宣伝禁止を打出し、テレビやラジオで11時〜22時までは、コマーシャル放送は出来なくなる。

100.ドイツの多国籍企業の従業員数と海外従業員数比率は以下の通りである。

会社名
総従業員数
海外従業員比率
シーメンス
16.2万人
43.4%
フォルクスワーゲン
11.4万人
44.4%

101.ルフトハンザとドイチェバーンは激化する市場競争に対応するために国内短距離線を整理して鉄道に代替する事で合意し、フランクフルトとケルン、デュセルドルフ、シュトゥットガルト、ニュールンベルグ等の線が2001年から鉄道となる。鉄道利用者は最寄り駅や社内でチェックインが出来るとともに手荷物は乗車駅に持ち込めば海外の目的地まで届けられる仕組みになる予定。この方式は既にスイスでも実施されている方式。

102.ドイツには80万人のホームレスがいると言われている。

103.ドイツの弁護士数は10.6万人で、日本は2.1万人。人口比で比較するとドイツは日本の8倍に相当。(米国:90万人、英国:7.6万人、フランス:3.6万人)
多いが故に米国のように乱訴となっている例もある。

104.ドイツの出生率は0.8で、日本より低く、1980年代から人口減少を前提とした町作りに政策を転換した。

105.デュセルドルフにある駐在する邦人の従業員数は約1,600名(1997年)で、ピーク時には約2,000名(1992年)がいた。デュセルドルフ日本商工会議所に登録されている会員数は648社(1997年)でピーク時は728社(1993年)であり、減少方向となっている。

106.ドイツの従業員数の多い順のトップ5の企業は次の通り。

会社名
従業員数
Siemens
386,000
Daimler-Benz
300,100
Volkswagen
274,600
Deutsche Bahn
268,300
Deutsche Post
266,800

107.ドイツにはビール会社が1,200社余り存在するが、将来的には400社程度に集約されるとの見方がある。現在、大手15社で市場の3分の2を支配している。1997年度のドイツ人のビール消費量は131リットル/人・年。消費量は1980年代からは下がっている。
売れているビールメーカーのトップ10は

No1.Warsteiner
No2.Krombacher
No3.Beck's
No4.Bitburger
No5.Holsten
No6.Veltins
No7.Koenig
No8.Hsseroeder
No9.Radeberger
No10.Jever

の順である。

1998年7月1日よりドライバーのアルコール許容値が0.8パーミルから0.5パーミルに引き下げられたのでアルコール消費量に影響が出るのではとの予測がある。 日本のアサヒビールはドイツ市場に「スーパー・ドライ」を販売委託する計画がある。

108.ドイツのホテルの料金は、メッセ開催時には通常期に比較して跳ね上がるので注意が必要。250〜300マルクの料金が一気に400〜500マルクまでになる。

109.欧州のレンタルビデオ店チェーンの最大手はドイツのVCL Communicationsでドイツを中心に欧州各国で約4,500店を展開している。このチェーンと東芝はDVDレンタルで展開を図る計画がある。

110.欧州の旅行者へのアンケートで調査した食事のベスト5は、マレーシア料理>日本料理>南アフリカ料理>シンガポール料理>フランス料理の順になっており、ドイツ料理は残念ながらベスト5には入っていない。

111.ドイツのマイホーム(土地、車庫付きの125m2)の値段

都市名
価格(万マルク)
ミュンヘン
83
フランクフルト
74
ベルリン
56
ケルン
56

112.ドイツの建設業界は4〜5年前から落込んだまま良い状況ではない。首都をベルリンに移す事によるベルリンは建設ラッシュがあるもののトンネル工事等の新規物件がなく、今一歩といった感じ。ライン川にそって走る新幹線(ICE)は速度が落ちるために、直線で走れるよう新線を考えている。2000年頃には完成見込み。

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ドイツ拾い読み情報 (1999年度版)
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目 次
1
政治・経済情報
2
環境関係情報
3
産業関係
4
エレクトロニクス関係情報
5
半導体・電子部品関連情報
6
運輸・輸送・電力関連情報
7
社会・一般情報

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<政治・経済情報>

1. ドイツマルク 72.00円/マルク(1998.11.6.)、67.61円/マルク(1999.1.8.)、66.04円/マルク(1999.2.5.)、65.80円/マルク(1999.4.23.)、60.48円/マルク(1999.8.27.)、58.64円/マルク(1999.10.1.)、56.44円/マルク(1999.11.5.)、53.33円/マルク(1999.12.3.)

2.通貨統合参加11ヶ国の合計の国内総生産(GDP)は、ドイツ、フランス、イタリアで70%以上を占める。(ドイツは33.4%)

3.ドイツの1999年度の経済成長率は内需の伸び悩みのみならず外需の伸び悩みが予想され減速傾向で1.7%が見込まれている。各部門での1999年のドイツの経済成長率は以下の通り。

機 関
成長率(%)
 ドイツ6代経済研究所
1.7
 IMF
2.0
 OECD
2.2
 ドイツ銀行
1.6
 HSBC
2.2
 JB Morgan
1.4
 ゴールドマン・サックス
1.5

ドイツのミュラー経済相は1999年の経済成長率を1.5%から2%弱に7月20日に上方修正をした。

4.ユーロ導入に伴う競争激化により、欧州での労働慣行の見直しが進んでいる。証券取引所や銀行の休業日を大幅に削減する動きが広がりつつある。
(フォルクスワーゲン)
金曜日〜日曜日までだけ勤務する「週末チーム」を発足させ、3日間で30時間働き、
週35時間労働と同じ賃金とする事で、労使間で合意した例

5.1月1日よりユーロ通貨の開始に伴い、各国のユーロに対する交換レートが12月31日に決定した。

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1. ドイツマルク=1.95583
2. フランスフラン=6.55957
3. イタリアリラ=1936.27
4. スペインペセタ=166.386
5. オランダギルダー=2.20371
6. ベルギーフラン=40.3399
7. オーストリアシリング=13.7603
8. フィンランドマルカ=5.94573
9. ポルトガルエスクード=200.482
10. アイルランドポンド=0.787564
11. ルクセンブルクフラン=40.3399
---------------------------------------------------
1ユーロ=1.16675ドル(=133円)

通貨統合で機関車役を果たしているのはドイツとフランスであり、今後はこの2ヶ国を注視しておく必要がある。

6.現在、ユーロ圏は11ヶ国で構成されているが2010年には参加国が増えて27ヶ国になると予想されている。予想では、2001年にデンマーク、ギリシャが、2002年に英国、スウェーデンが、2006年にスイス、ノルウェーが、2008年にポーランド、ハンガリー、スロベニア、エストニア、マルタ、キプロス、チェコが、2010年にはリトニア、ラトビア、スロバキアが、それぞれ加盟するとの予測がある。

7.欧州単一通貨ユーロは、当初、1ユーロ=1.19ドルをつけたが、現在は1.14ドルで推移していたが、1.06(1999.4.21.)となった。通貨統合以来の最安値を更新。(対円相場は1ユーロ=134円→132円となっている)

8.通貨統合で鮮明になってきたのがユーロ域内の価格差である。身近な商品で国によって価格差があり、今後は安い方の価格に収斂する事が予想されており、価格の高い国は税制等も見直しをする必要性も将来出てくる可能性がある。

(単位:ユーロ)
品 目
最高価格(国)
最低価格(国
ガソリン
1.04(フランス)
0.62(ルクセンブルグ)
タバコ
4.04(アイルランド)
1.95(ポルトガル)
ハンバーガー
3.24(ポルトガル)
2.25(スペイン)
ビール
1.67(フィンランド)
0.54(オランダ)
テレビ(21型)
532.05(フランス)
283.53(イタリア)

比較に使用した製品は以下の通り。
・ガソリン:レギュラー 1リットル
・タバコ:マールボロライト
・ハンバーガー:ビッグマック
・ビール:ハイネケン
・テレビ:Philips 21型テレビ

9.2002年1月からユーロ通貨が市中に流通するようになるが、問題は11ヶ国で流れるユーロ通貨として紙幣(7種類)にして130億枚、硬貨(8種類)にして560億枚を造幣して、しかも保管をして準備をしなくてはならない問題がある。しかも、造幣局を保有する国は11ヶ国中、9ヶ国で、ポルトガルとルクセンブルグは自前の造幣局を保有していない。

10.欧州で統一証券取引所構想があり、ドイツのフランクフルト証券取引所(株式時価総額 1兆1,643億ドル)、ロンドン証券取引所(株式時価総額 2兆1,829億ドル)、パリ証券取引所(株式時価総額 9,532億ドル)等が統合されて欧州証券取引所となる見込み。約7兆4,671億ドルの株式時価総額となる。ニューヨーク証券取引所(株式時価総額 9兆9,335億円)の次に大きな証券取引所となる。イタリア、スペイン、オランダ、ベルギー、スイスも今後、加わり2000年を目処に欧州統一証券取引所となる見込み。

11.1998年にドイツ先物取引所とスイス先物取引所が合併し、ドイツスイス先物取引所(ユ_

12.ドイツの平均の失業率は10.9%となり再び400万人第台となり、シュレーダー政権難局に。1998年1月に失業者数が482.3万人で戦後最悪を更新し、その後、春先からの景気回復により改善傾向が続き、9月には300万人台に低下していたが、12月は寒波の影響等で建設業の人員整理が続き再び、400万人台に悪化。1999年1月は445.5万人となり、1998年4月以来の高水準となり、政権に痛手。1999年の旧西ドイツの失業率は9.7%(1月)→8.3%(11月)、旧東ドイツが18.9%(1月)→16.9%(11月)の失業率となっている。
1999年10月の失業率は平均で9.9%で、失業者数は388.3万人となり、1996年以来最低の水準となった。
(参考:失業者数 414.5万人/4月)

13.ドイツの1999年度の政府予算案が決定した。歳出総額4,880億マルクで年金・失業対策に比重を移したシュレーダー政権の1999年度の予算である。前年予算比で6.8%の増加。増加した歳入は環境税導入等でまかなう予定。

14.原子力法改正案提出

社会民主党(SPD)と緑の党/連合90の連立与党は1月14日、原発撤廃方針についての具体案をまとめた「原子力法改正案」を発表、今月27日に連邦議会に提出することを明らかにした。シュレーダー首相は、同案をもとに政府が今後もエネルギー産業界との話し合いによって撤廃を進めることを強調しているが、電力会社からは「コンセンサス協議は挫折したも同然」と怒りの声が上がっている。
「原子力法改正案」には主に、

● 原発の新設を禁止
● 使用済み核燃料の再処理を2000年1月から禁止
● 原発事故に備えた原発の責任保障準備金を5億マルクから50億マルクに引き上げる
などが盛り込まれている。

ドイツが核廃棄物の再処理禁止を実施した場合、ドイツの原発から出る廃棄物の再処理を請け負っているフランスと英国の再処理場は莫大な損失を出すと見られている。連邦政府はこれについて、今後両国の代表者と再処理契約の解消について、双方に負担が生じない解決策を協議するとしている。
一方電力会社側は、政府が「原発撤廃は政府と電力会社のコンセンサス協議によって決定される」としながら、今回すでに具体案を盛り込んだ法案を提示したことで、「協議はもはや無駄」と強く反発。強制撤廃に抗議して賠償請求を行う構えを示している。

電力会社の代表を招いた懇談会では、2002年までの任期中に原発を閉鎖する事はないと確約するとともに撤廃期限を25年から30年の長期的なものになるとのコメントをシュレーダー首相が発言。緑の党より非難が続出。

15.ドイツの1998年度の貿易黒字は1,286億マルクで1989年の1,345億マルクに次ぐ史上2番目となった。

16.ドイツの景気は1998年の第四半期がマイナス成長となった事を指摘しており、原因としてシュレーダー政権の税制改革が実質的な企業増税につながった点をあげている。

17.ドイツの1998年のインフレ率は0.7%で、EU15ヶ国の平均では1.3%。(最も高かったのはギリシャが4.5%)

18.ドイツの金属労使の賃上げは4.2%で合意。

19.EU委員会はEU域内の空港、飛行機の機内及び船舶における免税販売を1999年7月1日付けで廃止する案で動いており、欧州全域で免税販売従事者は14万人、業界の年商は130億マルクにもなる。廃止が実施されると約10万人以上が失業するとの予測もある。

20.EUの共通予算の内、農業補助金が約半分も占める状況で、この予算額の分配問題でドイツとフランスとの間で対立をしている。

21.1999年度のドイツの税収は8,768億マルク(環境税導入で1998年度より438億マルクの増収)

22.ドイツの輸出に、1995年のメキシコの「ペソ通貨危機」により米ドルが暴落し、その結果、マルクの対ドル相場が急騰し、ドイツの輸出にブレーキがかかった。その後、東南アジア、中南米、ロシアの経済金融危機でドイツの輸出に更に影を落とす形となっている。

23.ドイツのサービス産業分野の5つの労働組合(郵便、公共・運輸・交通、商業・銀行、メディア等)が2001年を目処に「統一サービス産業労働組合」を結成する案に対して承認をされ、統一化に向けて準備される予定。統一されると組合数が約320万人となり、今までドイツ最大の組合数を誇った金属産業労組(IGメタル)の290万人を上回る規模の労組となる。

24.ドイツの倒産件数(1999年)は27,400件で、1990年東西統一後、初めて減少。

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<環境関係情報>

25.ラスチック包装廃棄物の分別収集・処理共に自治体とは別の組織が実施しているのがドイツ(DSD)とオーストリア(ARA)である。分別収集は自治体が実施し、処理は別組織で実施しているのがフランス、ベルギーである。
全て自治体が実施している国は、スイス、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー等である。

26.PVCを飲料容器に使用する事を禁止しているのがスイスで、自主規制しているのがオランダ、デンマークである。

27.ドイツでの風力発電での電力供給能力は3,000MW(実質供給量は全電力量の1%)となり、米国、デンマークを抜いて世界一となる。ドイツで生産された風力発電機は1,010基(1998年)となった。

28.ドイツのアパック社で澱粉と天然繊維からなるエコ食器が開発された。このエコ食器の特徴は使用後約一週間で燃やさずに溶解し、環境保護に貢献できる事があげられる。このエコ食器が年間100億個も発泡スチロール容器が消費されている中国で採用される事になった。

29.ドイツでは2005年までを目標にドイツ国内からごみ集積場を無くす計画があり、これに関連して先端的な廃棄物処理技術の開発が盛んになってきている。

30.ハンブルグに世界で最初の商用水素ガス・スタンドが開業。宅配業者が環境対応で水素ガス自動車を利用したのがきっかけで、当初は化学工場から余剰の水素を購入するがアイスランドからの購入も考えている。

31.EUの廃車リサイクル法案見送り

自動車メーカーが
(1)2003年以降、全ての廃車を無料で回収
(2)2015年までに部品リサイクル率を車の重量の95%まで引き上げる
等を義務付けた欧州連合の廃車に関するリサイクル法案が1999年6月25日、環境相会議でドイツ、英国、スペインが留保したために成立が見送られた。反対の主な理由は、欧州で1.5億台にのぼる廃車をメーカーで無料で回収する事が出来るかとの疑問からきている。

なお、9月に発足するEU専門委員会で再検討される予定で、妥協案が提出去れる見込み。
ドイツには1998年4月に施行された廃車条例があり、この廃車条例では製造後12年以内の運転可能な車をメーカーに無料で回収させている。

32.ドイツの廃棄テレビは年間、550万台に達し、その対策としてリサイクル率を高めたグリーンテレビの試作品が紹介された。

33.ドイツ環境連邦財団(DBU)は1999年度の環境賞に紡績会社のシュタイルマン社長とボン大学のバルトロット教授に授与する事を決定し、公表された。シュタイルマン社長は繊維行程をチェックして有害物質を排除した製品作りをし、このシステムは化学業界、農業等にも応用され、その貢献度が認められた。バルトロット教授は、蓮の葉に自己洗浄作用がある事を着目して、わずかに凹凸がある表面の方が滑らかな表面に比べ汚れ難い事を工業的に応用し、屋根瓦、塗料等に幅広く利用されている事が認められた。同賞の賞金は100万マルクで環境賞としては欧州最高。

34.1999年10月25日より、11月5日までボンで開催され、温暖化防止京都議定書(1997年12月に採択)に関して排出権取引、罰則規定等が論じられた。
しかし、京都議定書(1997年)の運用ルールに関して排出権取引規定に関して調整がつかないままとなったために先送りの不名誉な結果となった。先進国間や発展途上国の主張に差があり、その調整に難航しているとともに、今後の対応として実務者レベルの会合を1回増やして打開策を模索している。今、現在、炭酸ガスの排出は確実に増加しているのが実態であり、減少方向になっていない事に問題があると指摘をしている。

35.環境保護団体のグリーンピースが電力会社と提携して原子エネルギーに頼らない風力、太陽光、水力発電、バイオマス等の再生エネルギーで賄われる電力を供給する事になった。
基本料金は9.9マルクで料金は34.95マルク/kwで多少の割高になるが、クリーン電力を供給する事により原発撤廃を促進する触媒として利用したい意向。

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<産業関係>

36.航空・防衛産業として、ドイツにはDASA、フランスにはアエロスパシアル、英国にはBAeが、それぞれ会社が存在する。冷戦終結後、欧州の航空・防衛産業の強化策としてドイツ、英国、フランスの政府は、1997年末に欧州の防衛産業の再編・統合について基本合意をしている。 その後、スペイン、スウェーデン、イタリアも加わって再編成に向けて準備をしつつあるが、合併時期や新会社の組織等は決定していない。

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<エレクトロニクス関係情報>

37.ドイツのNordrehin-Westfalen州では1,600以上のソフトウェア会社が存在し、更に小さい企業を加えると実に3,000社がると言われている。

38.ソニーはドイツのシュツットガルトでテレビを年、約10万台生産していたが、生産効率が悪く撤退を決定し、英国、スペイン、スロバキア(この3ヶ国で年、約400万台のテレビを生産)にあるソニーのテレビ工場での生産へ振り向ける事になった。シュツットガルトは研究センター的な役割となり、既にEMC関係の測定センターや環境研究センター、マルチメディア研究センターとなっており、約100名の体制となっている。

39.ドイツの高等学校でのインターネットの接続は全学校の3分の1程度。ドイツの学校でのインターネットの普及率は約20%とのドイツ産業連盟の調査報告がある。米国は80%も普及しているために積極活用を提案している背景がある。ドイツ連邦政府は「学校をインターネットで結ぶ」プロジェクトを決定し、ドイツの4.4万ある学校を全てインターネットで結ぶ計画で、2001年までに110億円の支出の予定。

40.1999年度のドイツの情報通信産業売上規模は2,060億マルクが予想されている。これは自動車産業を抜く可能性が出来てきた。

41.ドイツ・テレコムとイタリア・テレコムが合併する事で合意。条件を巡って両政府の綱引きの状態。

42.ドイツ・テレコムが英国の携帯電話会社のワン2ワンを買収に合意して傘下に。買収金額は67億ポンド。ドイツ・テレコムはドイツ国内にTモービル(契約者数 約740万人)の携帯電話会社を保有するのみならず 、オーストリア、ポーランド等にも傘下の携帯電話会社を保有している。

43.Siemensと富士通で50%ずつ出資して"Fujitsu-Siemens Computersを設立し、1999年10月からコンピューターの販売を開始する。両社のコンピューター販売台数はCompaqの次に欧州では第二位の位置付けとなる。

44.ドイツ一般家庭の1998年度情報通信機器関係の普及率は以下の通りである。

連邦統計庁
No.
情報通信機器
%
1
 電話(固定式)
97
2
 テレビテレビ
96
3
 VTR
62
4
 ケーブルテレビ
53
5
 パソコン
42
6
 衛星放送受信システム
29
7
 ファクス
15
8
 携帯電話
11
9
 モデム
10
10
 インターネット回線
8
11
 デジタル回線
6

45.VARTA Geratebatterie GmbHが0.4mm厚みの紙のように薄いバッテリーを開発。

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<半導体・電子部品関連情報>

46.1988年度の世界半導体ランキングのトップ10にPhilips、STMicroelectronics、Siemens等の3社の欧州半導体会社が入った。トップ3はIntel>NEC>Motorolaである。

半導体Top10の売上高順位
億ドル
順位
会社名
1995年
1996年
1997年
1998年
1
 Intel
131.72
177.81
217.46
226.75
2
 NEC
113.14
104.28
102.22
82.71
3
 Motorola
87.33
80.76
80.67
69.18
4
 Toshiba
100.76
80.65
72.53
60.55
5
 TI
78.31
70.64
73.52
60.00
6
 Samsung
83.32
64.64
58.56
47.52
7
 Hitachi
91.35
80.71
62.98
46.49
8
 Philips
39.00
42.19
44.40
45.02
9
 STM
33.98
41.22
40.19
43.00
10
 Infineon(Siemens)
30.63
26.46
34.41
38.66
11
 Fujitsu
55.35
44.27
46.22
38.66
(Dataquest)

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<運輸・輸送・電力関連情報>

47.ダイムラークライスラーはバラード・パワー・システムズ製の燃料電池を採用して燃料電池自動車を2004年に量産する事を発表している。(本田技研工業は、独自開発の燃料電池を搭載した燃料電池自動車を2003年までに実用化をする計画)
2004年までに4万台、2005年までに10万台の燃料電池自動車が生産される見通し。

48.フォルクスワーゲンは1999年9月23日に創業以来の自動車累計販売台数が1億台に達し、祝賀パーティーを開催。

49.ロバート・ボッシュ(ドイツ:売上高 165億ドル/1998年)は自動部品メーカーのゼクセル(日本:売上高 18億円)の株式を31.7%から50.04%まで引き上げて完全に子会社化をしてアジアでの開発・製造を強化する方針。ゼクセルは燃料噴射装置では高いシェアを有する。

50.ドイツ鉄道(DB)が1999年4月1日よりICE事故の赤字補填のために値上げを打ち出す。
走行距離1キロあたり旧西ドイツ地域で26.8ペニヒ、旧東ドイツ地域で25.86ペニヒを一律27.2ペニヒに値上げするものでそれぞれ1.5%、5.2%の値上げ率となる。国内のDB乗車券が半額になる「バーンカード」は1等車480マルクから520マルクへ、2等車が240マルクから260マルクへとそれぞれ値上げされる。

51.ドイツは鉄道網が発達しており、新幹線(ICE)等も整備されている。欧州では鉄道輸送の見直しが実施されつつある。1994年にドーバー海峡を結ぶユーロトンネルが開通した事により、トンネル部を20分足らずで駆け抜けてしまう便利さとなったためで、ロンドンとパリが直結された点が大きなインパクトを与えている。パリからロンドンに通勤している人やフランスに別荘地を持っている人もいると言われる程、国境がなくなってしまった。飛行機から鉄道への見直しが始まりつつある。

52.欧州連合の主要国は電力自由化のEU指令に基づき1999年2月19日より電力の自由化がスタートした。ドイツ、英国は1999年度中に全ての需要家が電力の購買先を選択できるようになる。フランスを除いて他の国は段階的に自由化をする事で計画化されている。なお、スウェーデンとフィンランドは1998年に100%自由化されている。

No.
電力自由化度
1
ドイツ
 1999年100%
2
英国
 1999年100%
3
フィンランド
 1998年100%
4
スウェーデン
 1998年100%
5
イタリア
 1999年30%、2002年40%
6
フランス
 1999年25%、2003年33%
7
オーストリア
 1999年25%、2003年33%

53.欧州での空港利用者のトップ10(1998年度)にドイツのフランクフルトが2位にランクされた。

No.
空港名
空港利用者数(万人)
1
London Heathrow
6,063
2
Frankfurt
4,273
3
Paris CDG
3,862